ご 挨 拶

テーマ「あなたは考えていますか?2020年(つい)棲家(すみか)を」

 

今回の大会は第14回大会(2006年)の神戸大会以来の神戸での開催になります。今回の神戸大会は、地域の大会の色合いよりは本部主催の大会を目指しております。

第22回全国大会の主たるテーマは2020年の療養形態を考えることとしました。

2020年は東京でオリンピックが開かれ、日本中がオリンピックムード一色になる年ですが、その5年後の2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり介護を必要とする人口が増えます。2025年の労働力人口は5820~6320万人になると予測され、一方介護職員数が212~255万人と労働力人口の3.4~4.4%すなわち23~29人のうち1人が介護に関係する仕事に従事しなければ成り立たない社会になります。さらに2025年の全死亡数は150万人程度と予測され、そのうち約40万人が病院でも在宅でもまた現状の体制では介護施設でも最期を迎えることができない状況になっています。子供に見てもらえばということを考えられる方もおられると思いますが、2025年の世帯主が65歳以上の世帯が4983万世帯でその3分の2は高齢者だけの世帯となります。

一人ひとりの市民が、自分の終の棲家を考えておかないと、「世話をしてもらえない難民」「死ぬ場所がない難民」になってしまう可能性があります。

今回の神戸大会では2025年に自分や家族が無事老いを迎えるために、5年前の2020年までには何を準備しておかなければならないかを考えたいと思います。2020年に十分な準備ができれば安心して2025年を迎えることができますが、準備不足であれば、更なる努力が必要であることを再確認もできます。オリンピック東京大会の準備も大切ですが、終の棲家の準備も重要です。

私たちの日本ホスピス在宅ケア研究会は市民の目線で医療や福祉やケアを考える研究会であり、またそれぞれの専門性をさらに深めてゆく「部会」があります。今までの研究会では、「部会」がそれぞれシンポジウムやワークショップで内容を深めていましたが、今回の大会では、これらの「部会」が他の「部会」と同じテーマでシンポジウムができるプログラムを作ってゆきます。また市民目線からは、自分の生き様や受けたい医療・ケア、受けたくない医療・ケアを前もって提示するリビング・ウィルやさらにはアドバンス・ケア・プラニングについても意識を深めることができる大会にしてゆきたいと考えております。

もちろん今までの大会と同じく多くの市民や医療・福祉関係者や学生から募集する一般演題発表も行います。一般演題は2025年問題に関係なく、広い範囲の演題を期待しております。

今回の大会では勉強と啓発と親睦を大切にし、「どこにいても安心して暮らせる日本とは」を一緒に考えてゆこうではありませんか。

 

第22回日本ホスピス在宅ケア研究会全国大会in神戸

大会長  田村 亮